日本学術会議推薦候補任命拒否に関する学会としての対応について(第二報)
2020年10月27日 代表幹事 大橋毅彦
会員の皆様へ。標記の件につき、10月8日のこのホームページ上で、「昭和文学会常任幹事会」として「「日本学術会議」に対する政治介入に抗議し、会員任命拒否の撤回を求めます」という声明を、「日本近代文学会理事会」、「日本社会文学会理事会」、「日本文学協会運営委員会」と共同で発出させていただいたことをお知らせし、皆様方のご理解を求めましたが、その後10月21日に至るまでの経緯について報告申し上げます。
この共同声明を発出した直後、日本教育学会から人文・社会系の学会を糾合して、今回の日本学術会議の問題について抗議の意志を示したく、そのための情報交換・意見交換を行って今後の可能性を探りたいという連絡がありました。
この意見交換会は10月14日に第1回、21日に第2回目が開催されましたが、そこには教育学はじめ宗教、哲学、言語学、歴史学、文化人類学、社会学、社会福祉学、心理学などの諸分野の面々が出席、文学系からは14日は近代文学会・社会文学会・昭和文学会から各1名、21日は近代文学会2名、社会と昭和各1名が出席しました。
2回の会議を通して、分野を超えた学会で共同する事に前向きに取り組むことが合意され、共同行動の方針に関しても、全体としてのまとまり方、意見表明の形式・内容、発信の仕方、「人文社会系学協会連合連絡会」と命名したこの会の体制づくりなどについて、かなりの進展がみられました。
こうした流れをふまえて、常任幹事会で今後の対応を検討しましたが、まずは「昭和文学会常任幹事会」として、この連絡会に参加することにしました。
その理由としましては、この連絡会への参加形態として、「学会」としてではなく、「学会理事会」「会長」「理事有志」などの単位の選択が可能であることが確認されたからです。「昭和文学会常任幹事会」は、この場合、「学会理事会」と同列のものとして位置づけられますし、すでにその形で「日本近代文学会理事会」や「日本社会文学会理事会」とともに共同声明を発出しております。また、その共同声明は1学会の理事会や常任幹事会が単独で動くより、いくつかの学会のそれらが共同歩調をとった方が声明のインパクトも強まるとの判断があってなされたわけですから、今回の分野を超えての動きに参加していくことは、さらに大きなうねりを作っていくという意義も持つと思われます。そうした判断の下に「人文社会系学協会連絡会」に「昭和文学会常任幹事会」として参加していくことをこの第二報ではお知らせする次第です。
「人文社会系学協会連絡会」が声明書を作成する段階にあって、その合意文書にどのような形で名を連ねるかという問題についての判断も迫られると思いますが、文学系の3学会・協会と連絡を密にとりつつ、またお知らせしたく存じます。何かご意見・ご質問があれば、会務委員会アドレス(kaimu@swbg.org)宛にEメールでお寄せ下さい。